スタッフの健康管理
人手不足の影響により、シフトの厳しい施設が増えています。
その影響で、少しぐらい体調が優れなくても無理して勤務する、一見熱心で真面目なスタッフも多く居るでしょう。
しかし、もしスタッフがインフルエンザ等の感染症にかかっていると知らずに出勤すれば、たいへんなことになります。
また、スタッフの家族が発症し、ご本人が健康だとしても、実は感染症にかかっているかもしれません。
このような場合は、出勤を禁止するようにしましょう。とは言え、なかなか難しいのが現状です。
しかし、決して無理をさせずに、休ませるという判断が重要です。
施設内でスタッフが原因で感染症が蔓延すれば、施設の運営に取り返しのつかない大打撃を与える可能性もあります。
予防接種後の注意点の事例
ある会社にて、社員全員がインフルエンザの予防接種を早期に受けました。
しかし、1ヶ月後、社員の一人が微熱を出し、軽い風邪の症状が見られました。
2日後、医療機関へ行きインフルエンザの検査をおこなうと陽性反応が出ました。
その数日後、他の社員にも感染が広がり、数名同様の症状と検査結果が出ました。
原因
感染症によっては、感染しても症状が出ない(不顕性感染)人がいます。
しかし、症状はでなくても、ウイルスを排出し続ける場合があり、周囲の人にウイルスを広めてしまいます。
人によって、同じ病原性微生物に感染しても、体がどのように反応するかも異なっています。
例えば、インフルエンザでは、年度や型によっては高熱が出ない場合もあるので、体調が優れないなと感じた場合は、高熱でなくともお医者さんにかかりましょう。
そもそも、感染症によって生じる発熱や痛みなどの症状は、本人にとっては苦痛を伴うものですが、それは体の免疫機構が侵入した菌やウイルスから体を守ろうとする生体防御反応の現れです。
そのため、免疫力が高く治す力が強い若い人や体力がある人ほど、症状が激しくなる傾向があります。
一方、高齢者や体力がない人の場合、免疫機能が衰えていることが多いので、生体防御反応としての自覚症状が出にくい場合が少なくありません。
そのため、本当は感染しているのに、体に強い異常を感じないので、「問題ない」と思って通常の生活を続け、本人も知らない間に周りの人や家族が感染しまうことも多いのです。
また、ご本人の病状も進行してしまい、診断が遅れ、肺炎等の重篤な合併症を併発しまうリスクも高まります。
対策
施設においては、インフルンザ・ノロウイルス流行時には、スタッフが出勤できなくなる可能性があることを想定し、予め事業継続に要する人員数の確認と確保できるスタッフ数の把握を行いましょう。
必要人員数が確保できない場合は、退職したスタッフや地域にいる医療・介護従事者と連携を図り、他機関からのスタッフの派遣などについても検討することが望ましいでしょう。
次は、面会者、来客者に対する注意点について